
東北芸術工科大学 西澤研究室
環境実験プロジェクト 「ぶどう畑のレストラン」 概要
40%をきった食料自給率、従事者の高齢化、価格の不安定性による供給者側の不安など日本の農業問題は枚挙に暇がなく、特に、地方での農業従事者超高齢化は深刻です。こうした問題から、あと10年以内に本質的な改革を行なわなければ、日本の農業は存亡の危機を迎えるとの指摘もあります。我々の生命を維持するための食料生産現場であり、心の拠り所でもある地方の農村環境の荒廃は、文化喪失の危機だともいえます。しかし一方で、土地の恵みを最大限に活かして行われる農業は豊かで美しい風景を提供するものであり、農産物が季節ごとに収穫できるという体験は贅沢な喜びに満ちたものです。
そこで東北芸術工科大学西澤研究室では、2009年度実験デザイン演習1(前期) 西澤スタジオの課題として、環境の良さと収穫の喜びを最大限に享受できる仮設レストランの提案を行い、土地の恵みを五感で体験できる場を作ることを目指します。敷地は赤湯にあるすばらしい環境に囲まれたぶどう園です。そこでは「ぶどう畑のレストラン」を実際に立上げることが模索されており、このプロジェクトはその先行実験として位置づけられます。
場所の設え、家具、食器、料理、照明装置や時間の演出など様々な可能性を追求しつつ、ここにしかない魅力的な「ぶどう畑のレストラン」をつくりあげるためのプロダクトや空間、時間をデザインします。
スケジュール
phase1 〜5月初旬 リサーチ及び情報収集
phase2 〜6月中旬 プロジェクト提案
phase3 〜7月後半 実施案決定 製作
phase4 9月中旬 ぶどう畑のレストラン 仮設実験

敷地のぶどう畑